お役立ちコラム

国際連帯税をご存知ですか?

外務省が9年連続して新設要望している国際連帯税とは、どのような税ですか?

グローバルな課題のための資金は、これまで、各国の政府開発援助(ODA)による資金拠出で賄われていました。しかしODAは、金融経済危機以降、ドナー国の財政危機が重なり、その拠出総額が減少削減傾向にあります。つまり、ODAは各国の国益の状況に左右され、政権が変わるごとに援助政策が変わるという不安定な性格をもっていることになります。

この課題を克服するためには、地球規模の課税、つまり「グローバル・タックス」方式が最もふさわしいと考えられています。「グローバル・タックス」は、国境を越えて行う経済活動に課税し、その税収でもってグローバルな課題対策のための資金源とする。というものです。

例えば、国際航空・船舶輸送・国際金融取引・多国籍企業(貿易)などが課税の対象として考えられています。

国際連帯税は、フランスや韓国が既に導入しており、その税収の一部又は全部を途上国支援に充てていることから、同じような制度を外務省は検討しています。

日本では、2007年頃から国際連帯税に関する関心が高まり、「国際連帯税創設を求める議員連盟」が創立され議論が行われています。

平成30年度税制改正要望が平成29年8月31日に締め切られ、外務省は引続き「国際連帯税(国際貢献税)」を新設要望しています。

しかし、国際連帯税の推進にあたっては、租税回避と資金流失の問題、有価証券・金融・通貨に対する取引税の検討が必要であると思われることから、日本での国際連帯税の新設については今後の動向が気になるところです。

<参考文献等>

財務省HP:

http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2018/request/mofa/30y_mofa_k_01.pdf

執筆者:河原

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