お役立ちコラム

全銀フォーマットを使用して振込を行う時は振込手数料に注意

会計システムで作成した全銀フォーマットのデータを使用して振込を行っています。会計システムでは取引先ごとに振込手数料の当方/先方負担を設定しましたが、ネットバンキングの明細では全て当方負担となってしまうのは何故でしょうか?

全銀フォーマットとは、銀行が振込情報等を伝送する際のデータ形式として全国銀行協会が規定した規格です。ネットバンキングと会計システムの間でのやり取りについても、全銀フォーマットを使用するのが一般的です。

この全銀フォーマットですが、振込手数料に関する項目が含まれておりません。そこで、例えば「先方負担の手数料540円を差し引いて10,000円を振込」ならば、下記2つの方法があります。

1:振込金額10,000円の全銀データを作成し、ネットバンキングに「振込手数料先方負担」という設定で取り込みます。すると、ネットバンキング側で手数料540円が差し引かれて9,460円が相手先口座に振り込まれます。

しかし、この方法では1つの全銀データに含まれている全ての取引先が「先方負担」になってしまうので、データに当方負担/先方負担の取引先が混在すると対応出来なくなります。そこで、一般的な会計システムでは次の方法をとっています。

2:振込金額9,460円(10,000-540=9,460)の全銀データを作成し、ネットバンキングには「振込手数料当方負担」という設定で取り込みます。ネットバンキングの明細は当方負担と表示されますが、振込を受ける相手先にとっては「1」と同じです。

この場合、振込手数料を差し引く処理はネットバンキング側ではなく、会計システム側が行いますので、会計システムに本店/他店/他行/振込金額に応じた振込手数料を正しく登録しておく必要があります。

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