お役立ちコラム

税務上の繰延資産ってなんですか?

税務上の繰延資産とは具体的にどのようなものなのでしょうか。

税務上の繰延資産とは、企業会計で定められている繰延資産のほか、法人税法上において定められている繰延資産のことであり、次のようなものをいいます。

次に掲げる費用で支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもの

・ 自己が便益を受ける公共的施設又は共同的施設の設置又は改良のために支出する費用

・ 資産を賃借し又は使用するために支出する権利金、立ちのき料その他の費用

・ 役務の提供を受けるために支出する権利金その他の費用

・ 製品等の広告宣伝の用に供する資産を贈与したことにより生ずる費用

・ 上記に掲げる費用のほか、自己が便益を受けるために支出する費用

これらの費用については、企業会計上の繰延資産ではないため、会計処理においては、繰延資産として処理されるのではなく、投資その他の資産の区分において長期前払費用として処理されるケースが多いと思われます。

税務上の繰延資産は、その支出の効果の及ぶ期間で均等に償却されますが、具体的な内容や償却期間は次のように定められております。(法人税法基本通達8-2-3)

税務においては、上記の支出額が20万円未満の場合には、支出した日の属する事業年度において損金経理をすることにより、全額損金の額に算入することができます。

参考URL 国税庁HP 法人税法基本通達8-2-3

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/08/08_02.htm

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