お役立ちコラム

会社を設立したときの届出

会社を設立したのですが、まず何をすればよいですか? 税務関係の届出について教えてください。

(1)会社を新たに設立した際の、税務署へ必要な届出について説明します。

 

まずは全ての会社が必ず提出する「設立届出書」についてです。設立登記の日から2ヶ月以内に提出することとなっています。「こんな会社できました」という届出です。これがなくては始まりません。添付書類として謄本や定款などが必要となります。

※1:法人設立届出書(法法148)には登記事項証明書の添付が義務付けられていましたが、平成29年4月1日以後、手続の簡素化として添付不要となりました。

 

次に、青色申告を選択するのであれば「青色申告の承認申請書」が必要となります。

※2:「青色申告の承認申請書」…

法人税の確定申告書、中間申告書等を青色申告書によって提出することの承認を受けようとする場合の手続です。青色申告の場合には、各種の特典が受けられます)

※詳しくは下記参考文献等のリンク先を参照ください。

 

たいていの会社が青色申告するかと思いますが、青色申告しないことも可能です。選択する場合は、設立の日から3ヶ月を経過した日か最初の事業年度終了の日の前日のいずれか早い日までに提出する必要があります。

 

また、従業員や役員に給与を支払うのであれば「給与支払事務所等の開設届」も必要です。こちらは事務所開設日から1ヶ月以内が提出期限です。「給与を支払う際に源泉所得税を徴収して納付するため、源泉徴収義務者となりました」という届出です。税務署が早速源泉税の納付書を送ってくれたりします。

 

※3:提出方法や様式については、下記参考文献等のリンク先(※3)を参照ください。

※4:法人番号の記入については、下記参考文献等のリンク先(※4)を参照ください。

 

給与の支給人員が常時10人未満である場合は、源泉税の納期を半年ごとにすることも可能です。その場合はあわせて「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出します。なお、半年ごとの納税が適用されるのは、提出した月の翌月からとなるため、提出した月に源泉徴収した場合は、原則どおり翌月10日が納期限となるため注意が必要です。

※5:詳しくは下記参考文献等のリンク先を参照ください。

 

(2)この他、設立時とは限りませんが、設立時にあわせて提出することが多いものを紹介します。

 

「申告期限の延長の特例の申請書」は、株主総会の開催期日などを理由にして1ヶ月申告期限を延長することが可能となる申請書です。

また、税務上特に届出がない場合に採用される評価方法や償却方法以外の方法を採用したい場合は、「棚卸資産の評価方法の届出書」、「有価証券の評価方法の届出書」、「減価償却資産の償却方法の届出書」などを提出します。この他消費税関係の届出も必要となる場合があります。

 

以上は税務署への届出となります。

また、地方税に関しては都道府県税事務所、市区町村役場へ設立届出等を提出する必要があります。※6

 

 <参考文献等>

※1:(国税庁HP)

https://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h29/kansoka/index.htm

※2:(国税庁HP)

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_14.htm

※3:(国税庁HP)

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_11.htm

※4:(国税庁HP)

https://www.nta.go.jp/mynumberinfo/FAQ/03houjinbangoukankei.htm#a113

※5:(国税庁HP)

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_14.htm

※6:(東京都主税局)

http://www.tax.metro.tokyo.jp/shomei/index-z1.html

 

掲載日:2008年08月27日

更新日:2017年12月11日 

執筆者:千代田

 

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